S君は小さい時にピアノを習っていました。
ピアノ教室の待合室には、漫画もなければ何もありません。
いつもS君は退屈で窓から車が通るのをぼんやり見ていました。
その時に救急車が道路をサイレンを鳴らしながら走って来ました。
するとどうでしょう、
救急車のサイレンの音がS君の前を通りすぎたとたんに変わったのです。
S君の方に向かってくる救急車のサイレンの音は高い音だったのが、
S君の前を通りすぎたとたんに低い音に変わったのです。
S君は不思議でたまりませんでした。
「救急車の運転手のおじさんは、
僕の前を通った時に急にサイレンの音を変えたのかな?
あのおじさんは僕の知り合いかな?」と思ったほどでした。
しかしS君には救急車の運転手さんに知り合いはいません。
S君はそれから、
救急車が通るたびに耳を凝らして音を聞いていたのですが、
やはり音の高さが変わります。
結局S君はその現象が分かりませんでした。 皆さんはどう思いますか?